ハチジョウコクワとその思い出

八丈島産 44.5mm(標本サイズ)

2017年5月 自己採集

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もはやひどく懐かしい、2017年5月

Twitterで親しくなった友人との

八丈島遠征で運良く採集できた個体

 

再展脚前の写真

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いつも通り標本記事の予定だったが

先日再展脚して、その魅力に改めて感動

当時のことを少し振り返ることにした

 

朧げながらここからは

採集記には満たない思い出日記として

つらつらと書いていきたい

 

 

八丈島遠征

 

予定が立ったのは遠征20日前だった。往路の船は夜行、二等和室で雑魚寝。まさに学生!というスタイルだが船が新しくなったばかり、乗客も少なめという条件で想像より遥かに快適だった。

 

私のいびきが1番、友人の快眠を邪魔したのではと今更ながら申し訳なく思う。

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甲板で語らいながら飲んだビール
すごく学生って感じ

 

 

ターゲット

 

実はこの遠征、彼も私もクワガタはメインターゲットではなかった。しかもお互いに目的の生き物が全く別で、2泊という旅程はなかなか切迫していたはずだった。

 

その割には2人とも「クワガタ!クワガタ!」と採集意欲は高かったように思う。かっこいいから仕方がない。 

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本遠征、私のメインターゲットの1つ
これは恐らくハチジョウコシビロダンゴムシ(外観や生息地から推測、正確には未同定)

 

 

クワガタ採集

 

まず初めに友人のマイポイントにてネブトクワガタを探したが、僅かな幼虫と成虫の死骸しか見つからず、2人で少し落胆。

 

ヒラタもそれらしいロードキルを見つけるに留まり、ノコギリはワンペアを2人で確保という結果で、割いた時間を考えれば十分な成果だが当時は悔しさもあった。

 

しかしコクワはなかなかどうして、数だけで言えば本州並みに見ることができた。

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あまりやる気の感じられない証拠写真たち

 

 

本当に赤いコクワガタ

 

2日目の夜、結論から言えばあっけなかった。ふと立ち寄った外灯、周りの木に目を向けた時だった。「おるやん!こっちにも!」多分そんなセリフを言いながら、写真を撮る余裕もなく手を伸ばした。

 

私があれよあれよと掴んだ3頭は、それぞれ悪くないサイズで、友人は悔しそうな笑顔を浮かべていた気がする。

 

手にした時の写真

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最初に手にした3頭(1番上が冒頭の個体)

 

この時テンションは最高潮だった。大きさも嬉しかったが本当に赤いのだ。派手ではないが上品なワインレッド。細身の体型も相まって繊細な雰囲気を醸し出していた。

 

また展脚して改めて感じたが光沢が強い。特に上翅会合部付近など顕著だ。ついつい標本の角度を変えてその艶感を楽しんでしまう、魔性の輝きだと思う。

 

約1時間ほど探して、2人で合計10頭以上確認しただろうか。高所の個体を見つけた際、友人が見せた華麗な木登りが今でも印象深い。

 

好条件ではこんなに採れるのかと興奮すると同時に、噂通りコクワが増えてるのだなと冷静に考えさせられた。

 

最後はキープしていたものをまとめて記念撮影。私は最初の2頭、友人は1頭だけ持ち帰って、残りはすべてリリースした。


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4頭が40mmUP。
深い赤色と下草のコントラストが映える。

 

 

余談・島寿司のススメ

 

さて本題からズレるが、本遠征はメイン・サブ含めてターゲットが幅広く、スケジュールなどハードな部分も多かった。その中で我々を癒し、活力を与えてくれた食べ物を紹介したい。

 

八丈島ではスーパーでマジ?と思えるような寿司や刺身を購入することができる。中でも島寿司はなかなか特徴的なヅケのお寿司で、採集の合間に食べると束の間の旅行気分を味わうことができる。

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初日は島寿司(メダイ・アオゼ)、刺身(キンメ・ムツ・カツオ)。馴染み無いネタが趣深い。

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2日目は島寿司(オナガダイ・アオゼ)、刺身(キントキ・カツオ)。寿司ではないがカツオの刺身も絶品。

 

特に景色を見ながら屋外で食べた2日目などは、なんとも贅沢で「さあもうひと頑張りだ!」という気持ちにさせてくれた。

 

単独行だと特に食事は疎かにしがちだが、美味しいものを食べてリフレッシュするのは重要だと感じる。特に同行採集では会話しながら気持ちを切り替えられるのが強みだし、大切な思い出にもなるのでオススメだ。

 

 

終わりに

 

今回はここまで。その他にも思い返せば、水中に半分カメラを沈めての撮影会や浜辺の探索、現地の元気な子供達や優しいお爺さんとの邂逅、深夜1時のダンゴムシ掘りなどキリがなくなってしまう。

 


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帰りに食べたカレーとアイス。
どちらも明日葉味だったはず。

 

是非また振り返る機会を設けたいし、再び訪れたい。あの時はありがとうございました。